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  <title>side-X</title>
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  <description>もの書きから遠ざかった人間のリハビリ＆トレーニング場。
目指すは１日１題、３６５日連続投稿（とハードルを高くしてみる）</description>
  <lastBuildDate>Tue, 01 Apr 2014 11:54:08 GMT</lastBuildDate>
  <language>ja</language>
  <copyright>© Ninja Tools Inc.</copyright>
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    <title>はじめに</title>
    <description>
    <![CDATA[<span style="color: #339999;">こちらはすろーなもの書き人が綴るお題小説置き場です。<br />
これから一日一題消化、３６５日連続投稿を目指します。ジャンルは色々。短いお話なのでさくっと読めます。<br />
<br />
<br />
お題一覧は&rarr;<span style="color: #3366ff;"><a href="http://400moji.side-story.net/%E3%81%8A%E9%A1%8C%E4%B8%80%E8%A6%A7/">こちら</a></span><br />
お題は　<span style="color: #3366ff;"><a href="http://platinum.konjiki.jp/" target="_blank">もの書きさんに８０フレーズ</a>さん　<a href="http://kotonoha.higoyomi.com/ " target="_blank">言の葉屋</a></span>さんから頂きました。</span>]]>
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    <category>はじめに</category>
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    <pubDate>Sat, 30 Mar 2030 15:31:52 GMT</pubDate>
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    <item>
    <title>50．トリップ！</title>
    <description>
    <![CDATA[<p>　「このあいだはえほんとたくさんのおはな、ありがとう」<br />
　突然姪っ子に言われて私は反応に少しだけ困ってしまった。<br />
　確かにお礼を言われるようなことはしたと思う。この間、自分が昔使っていた本をあげたのだ。<br />
　ただ、私が渡したのは食べものや乗り物の絵本で、その中に花なんて一切出てこないのだ。<br />
　この子は一体何のことを言っているんだろう？<br />
　私がいぶかしげな顔で姪っ子を見つめていると、彼女は自分の部屋へ向かった。一冊の本を抱えて戻ってくる。<br />
　それは私が小さい頃に何度も読んだ絵本だった。<br />
　床に置かれた本がゆっくりと開かれる。古びた紙の匂いと共にぱらり、と何かが蠢いた。動物的な物とは違う、どこか優しくて優雅な動き。<br />
　再び本に着地したのはカラカラに渇いた草花たちだった。ちょっとでも触ったら壊れそうな四つ葉や黄色い花びらたちに私はあっ、と小さな声をあげる。<br />
　体の内側が過去にトリップした。<br />
　そういえば――小学校の頃、周りで押し花を作るのが流行っていたことがあった。<br />
　近くの土手にある蒲公英やクローバーを本や辞書に挟んで、それぞれの形や大きさを競ったりしていたっけ。<br />
　地味な遊びだったから一か月もしないうちに廃れてしまったけど――<br />
「うわ、なっつかしいなぁ」<br />
　私はすっかり干からびた草花たちをまじまじと見つめる。<br />
　思えばよくこんなにも摘んだものだなぁ。よく見れば白い蒲公英もあるし。それに四つ葉のクローバーなんて幾つある？<br />
　私が邂逅にふけっていると、ふいに腕をつかまれた。<br />
「おねえさん。リカ、もっともーっとおおはながみたい。ごほん、もっとある？」<br />
「うーん、どうだろう？」<br />
　今姪っ子が持っている絵本は実家の物置を掃除中に出てきたものだ。当時使っていた教科書も出てきたけど、それ以前の物は出てこなかった。<br />
　つまり、これが私の持ち物の中で一番古いものだということ。<br />
　でも――<br />
「じゃあさ、これからお花摘んできて、作ってみよう」<br />
「いいの？」<br />
　目をきらきらと輝かせる姪っ子に私はにっこり笑う。<br />
　今じゃこんなにも見つけられないだろうけど。ひとつくらいならできるかも、そんな淡い期待を寄せながら。</p>]]>
    </description>
    <category>なんとなく100のお題 2 </category>
    <link>http://400moji.side-story.net/odai3/story3_50</link>
    <pubDate>Tue, 01 Apr 2014 11:54:08 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>33．夢をかなえるために</title>
    <description>
    <![CDATA[街中で彼女の肩に手をかけようとしてするり抜けられた。雪菜は向かいのショーウィンドウに向かって突っ走っている。<br />
「ねぇ、この服和真着たらすっごく似合うと思うんだけど」<br />
　くったくのない笑顔を見せる雪菜はとても可愛い。可愛いけど。<br />
　そのすり抜け術は意図的か？　それとも天然？<br />
　この間も映画館でさりげなく手に触れようとしたら、ちょうどいいタイミングでポップコーンをつまんでたし。<br />
　まさか俺を避けてるってことはないよな？<br />
　俺は悶々とした気持ちを抱えながら雪菜を追いかける。<br />
　雪菜と付き合って一年近く。高校入学と同時に雪菜が県外に引っ越してしまったので、会えるのは月に一度あるかないかだ。だから雪菜と一緒の時間はとても貴重で俺の妄想スイッチも全開なわけで。<br />
　なのに俺たちはラブラブからは程遠い付き合いをしている。手を繋いだのだってこれまでに数回だけ。とても健全過ぎる。つうか、これじゃ付き合う前と全然変わらないじゃないか！<br />
　雪菜の神がかり的なガードにより、俺は今日も恋人らしいアクションを起こすこともできないままずるずると一日を過ごし――別れの時間を迎えてしまった。<br />
　駅の下りホームで俺たちは最後の時間を過ごす。田舎に向かう駅のホーム人気がなくて、実質貸切状態だ。<br />
「今日はすっごく楽しかった。また一緒に出かけようね」<br />
「あ、ああ&hellip;&hellip;」<br />
　口ごもる俺をよそに銀色の電車がするりとホームに入っていく。雪菜がこの中に入ったらしばらく会えない。<br />
　ならいっそのこと、ここでぐっと抱きしめてしまえともう一人の俺が囁く。勢いにまかせてその唇に触れて――それから。<br />
　俺は作った拳にぐっと力をこめた。ささやかな夢をかなえるために強張った声で電車に向かう雪菜を呼び止める。<br />
「えっと、そのお願いというか――」<br />
「何？」<br />
「キ、キ、きっ」<br />
「き？」<br />
　俺の不自然な呂律に雪菜が首を横にかしげていると、一陣の風がホームを抜けた。俺たちの視界に桃色がかすめる。桜の花びらがホームに舞い込んできたのだ。<br />
　優雅に泳ぐ花びらに俺は一瞬だけ見とれる。列車の発車を知らせる音楽が鳴り響き、はっとする。雪菜を見送ろうと振り返った瞬間、唇に柔らかいものが触れた。前髪が目元をくすぐる。とても甘い匂い。<br />
「じゃあね」<br />
　軽やかな足取りで雪菜が電車の中へ飛び込んでいく。俺が最後に見たのはほんのり顔を上気させて、はにかんだ笑顔。すぐに扉が閉まると電車はすぐに発車した。<br />
　俺は口元に手を当てる。一瞬だったけど――確かに感じた。これまでおあずけをくらっただけに破壊力がありすぎじゃねーか。<br />
　不意打ちの攻撃に俺は思わずしゃがみこんでしまった。]]>
    </description>
    <category>なんとなく100のお題 2 </category>
    <link>http://400moji.side-story.net/odai3/story3_33</link>
    <pubDate>Thu, 27 Mar 2014 15:15:00 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>87．抱えきれないほどの荷物</title>
    <description>
    <![CDATA[<p>　俺の家は母子家庭だ。姉と俺はひとまわり以上離れている。母と姉たちは所謂友達親子ってやつでお互いの身に起きたことをあけっぴろげに話す人達だった。<br />
　月に一度来るオンナノコの日とか、好きな男の話とか、果ては性についてのあれやこれやまで。物心つく頃から俺は彼女たちに「女の子は大変なんだよー」と言いきかされていた。<br />
　俺は自然と女の子に優しくするようになっていた。実際母は俺たちを養うのも大変だったし、姉たちは共に男で苦労していたし。だから俺は女の子は本当は弱くて脆いものだと、守って当然だと信じていた。まさか、それが彼女たちの「作戦」だとも知らずに――<br />
　俺がそれに気づいたのは中学に入って間もなくのこと。順調に仕事のキャリアを積んでいく姉たちが母にこんなことをこぼしたのだ。<br />
「私、仕事の方が楽しくなっちゃって結婚なんてどうでもよくなっちゃった」<br />
「私も恋はしたいけど結婚までは&hellip;&hellip;ねぇママ。私達独身のままでいいよね？　ウチにはリュウがいるし」<br />
　扉の影で聞いていた俺は最初、姉たちが母に孫の顔を見せることができなくてごめんという意味で言ってるのかと思った。でも、次に放った母の言葉がそれを見事に覆した。<br />
「わかった。あんた達もリュウに面倒見させましょう」<br />
「大丈夫かなぁ？」<br />
「大丈夫よ。何たってあの子、最強のフェミニストだから。ねぇ？」<br />
「何の為に小さい頃から私らが頑張って仕込んだと思っているの。こういう時の為じゃない」<br />
　彼女たちの談笑に俺は頭が真っ白になった。つまり、俺は彼女たちの都合のいいよう洗脳されていたのだ。<br />
　女は強かで打算的だ。事実を知った瞬間、俺は女性そのものに失望した。もちろん、世の女性が全てそんな人間じゃないっていうのは承知している。だけど学校と言う狭い世界で生きている俺にとっては家族が全ての基準になるわけで――そうそう気持ちを切り替えることができなかった。<br />
　更に俺の女子に対する行動ははすでに染みついていた。考えるよりも先に体が動いてしまう。当時俺につけられたフェミニストという代名詞は人生で最大の汚点となっていた。<br />
　シーナが俺の通う中学に転校してきたのもその頃だ。<br />
　帰国子女のシーナはとても乾いた空気を持つ女の子だった。<br />
　それなりに友好関係は作るけどグループに群れようとしない。間違ったことにはっきりＮＯを言うけど、考えの違いは素直に認める。なのに変な所でわがまま。<br />
　今でこそ中性的という言葉で表現できるけど、当時の俺にとってシーナはこれまでに見た女子たちとも違う、未知の生命体だった。<br />
「――河内ってさ。女子のこと軽蔑してるでしょ」<br />
　掃除当番で一緒にゴミ捨てに言った時、シーナはふいに呟いた。見透かされたその一言にどきりとして、俺は思わず空っぽのゴミ箱を落としてしまう。<br />
「どうして――そう思ったの？」<br />
「河内が女の子に優しい時はいつもそう。顔は笑ってるのに目が死んでる。そこだけ機械みたいに冷たい」<br />
　とてもしっくりする例えに俺は感慨した。本心を剥がされたことで俺を悩ませた抱えきれないほどの荷物が軽くなった、そんな気がしたのだ。<br />
「ねぇ、そんなにも目が死んでた？　機械的だった？」<br />
「&hellip;&hellip;なんで嬉しそうに聞いてくるの？」<br />
「いいから。教えてよ。優しい時の俺ってそんなにひどいヤツ？」<br />
　俺は身を乗り出して聞く。シーナはそんな俺を怪訝そうな顔で見つめていた。</p>]]>
    </description>
    <category>なんとなく100のお題 2 </category>
    <link>http://400moji.side-story.net/odai3/story3_87</link>
    <pubDate>Wed, 26 Mar 2014 19:11:02 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>94．尤もらしい理由を並べてみた</title>
    <description>
    <![CDATA[<p>　　放課後、クラスの某女子グループに呼び止められた私はフレンドリーとは言い難い高圧的な視線で問いかけられた。　　<br />
「椎名さんって河内とどういう関係？」<br />
　予想通りの展開に私は肩をすくめた。まぁ、声をかけられた時点で嫌な予感はしていたんだけど。正直言えば面倒くさい。<br />
　でもここできちんと答えないとこれからの学園生活に支障がきたすのだろう。ボッチに対して偏見はないけれど、できればそれは避けたい。それが私の心情だ。<br />
　私はひとつため息をついた。彼女たちの顔をひとりひとり確認したあとで、尤もらしい理由を並べてみた。<br />
「どういうって&hellip;&hellip;アイツとは同中なだけだけど？　あとは部活仲間とか、クラスメイトとか？」<br />
「本当に？　やけに仲がいいみたいだけど？」<br />
　そんなに仲いいとは思わないんだけどなぁ。<br />
　私はひとり、心の中でごちる。<br />
　河内は女性に対して特に優しい。それは血筋というか、育った環境がアレなわけで。それにアイツは――<br />
「あっれぇー？　みんなそこで何してるの？」<br />
　ふいに背中側から間の抜けた声が響いた。彼女たちが一瞬ひるむ。声の主を瞬時に悟った私は後ろを振り返ることなく言葉を発した。<br />
「河内説明してやって！　私とアンタは無関係だってことを」<br />
「シーナは俺の恋人ですけど、なにか？」<br />
　河内の返答に女子たちの表情が一変した。私はと言うと開いた口が塞がらず。何言ってやがるんだこの阿呆、と叫ぼうとするけどそれは周りからの鋭い視線に阻まれた。<br />
「やっぱり嘘だったんじゃない」<br />
「騙してたのね。卑怯な」<br />
「嘘じゃないって！　嘘ついているのはあっち！」<br />
「だーかーら。コイツは俺のモノなの」<br />
　河内は悪戯っぽく笑うと、見せしめと言わんばかりに前にいた私を後ろから抱きしめる。でかい体で急に締め付けてくるものだから私は思わず声を上げた。　<br />
「ちょ、誰がアンタのモノだって！　だいたいアンタは――」<br />
　女よりも男が好きなんでしょう？　そう言葉を続けようとしたら突然顔の向きを変えられ　口を塞がれた――河内の唇で。<br />
　公衆の面前でのキスに彼女たちが声なき悲鳴を上げたのは無理もない。私は親の仕事の関係で海外に暮らしていた経験がある。ついでに言うなら友人も親戚も外国人が多いわけで。だからキスに対しての抵抗は他の人に比べたら少ない。<br />
　だからこそ、河内はソレに付け込んできたのだ。<br />
　自分の嗜好をカモフラージュするために私を生贄に選ぶなんて！<br />
　河内に触れたままの状態で私は眉を引きつらせる。必死になって引きはがそうとするけれど河内は余計に私にくっつくばかりで。<br />
　私は河内の唇を思いっきり噛んでやった。鋭くも甘い悲鳴が耳をつんざく。やっと唇が離れると鉄の香りが鼻をかすめた。<br />
「シーナったら。そんなに激しいコトしなくてもいいじゃん」<br />
　ついた血を舌でなめずりながら河内は言う。睨み顔の私に不敵な笑みをのぞかせて。その色っぽい表情に彼女たちは反抗の術を失っていた。　　<br />
　学園内で王子と称される河内のあんな姿はさぞかし衝撃的だっただろう。<br />
　女子高生の情報網は恐ろしく早い。今日中にも私とキスしたことが学校中に広まるに違いない。<br />
　酸欠でくらくらする頭を抱えながら私は途方に暮れた。<br />
<br />
</p>]]>
    </description>
    <category>なんとなく100のお題 2 </category>
    <link>http://400moji.side-story.net/odai3/story3_94</link>
    <pubDate>Tue, 25 Mar 2014 19:54:00 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>46．古くなった辞書</title>
    <description>
    <![CDATA[隣りのクラスに足を踏み入れると給食を食べ終えたばかりの幼馴染に思いっきり嫌な顔をされた。<br />
「一体何の用だよ」<br />
「今日授業で当たる日なんでしょ。だから宿題見に来た」<br />
「何で隣りのクラスのおまえがわざわざ来るんだよ」<br />
「ぶつぶつ言わないでほら、ノート出しなさいよ」<br />
　さぁ、さあ、と私は催促する。私の勢いに呑まれたのか、幼馴染のウメは自分の宿題ノートを渋々見せてくれた。薄っぺらいページをめくると、目前に清々しいくらいの真っ白さが広がる。私は思わず苦笑した。<br />
「また授業聞かないで寝てたんでしょ」<br />
　仕方ないなぁ、そんな気持ちで私はノートと一緒に出された教科書を手に取った。マーカーで記した単語を調べるべく、古くなった辞書を広げる。<br />
　突然苗字を呼ばれた。声の会った方を見やる。すると教室の廊下側にある窓から真田先輩が顔をのぞかせていた。<br />
「こんな所にいたのか」<br />
「どうしたんですか先輩？」<br />
「今日の部活、先生の都合で休みになったから。豊川から他の一年たちに伝えておいてくれる？」<br />
「あ、はいっ」<br />
　真田先輩の指示に私は即答した。じゃあ、と言ってその場を離れて行く先輩の背中を見送る。その背中が見えなくなると、三秒でいびきをかいて寝てしまったウメをジト目で見やった。その無防備な耳を思いっきり引っ張ってやった。　<br />
「ってっててて」<br />
「何でウメは突然狸寝入りなんて始めたのかなぁ？」<br />
「あの先輩苦手なんだよ。顔見だけで胸のあたりがムカムカするし頭は痛くなるし。あー最悪」<br />
　そう言ってウメは机に頭を沈めた。腕が床に向かってだらりと伸びていく。無気力を体で語る幼馴染に私は眉をひそめた。あのさぁ、と思わず口走ってしまう。<br />
「先輩がウメに何かした？　してないよね？　なのに顔を見ただけで最悪って何？　それって人としてどうなのよ？」<br />
「んなこと言われたって気持ち悪くなるんだから仕方ねーだろ」<br />
「そういう意地悪な態度とってるといつか自分に返ってくるんだからね！　だいたいウメは――」<br />
　ちょうどその時、昼休み終了を告げるチャイムが鳴ってしまった。本当はもっと文句を言いたかったんだけど、仕方ない。この続きは次の休み時間に言うことにしよう。<br />
「とにかく、ウメはシャキっとしなさい！　でなきゃいつかバチが当たるよ」<br />
　私は捨て台詞を残してウメの反応を待った。ここまで言えば何かしら言葉が返ってくるだろう。すると数秒後に顔を伏せたままの状態でうるせぇな、とかったるそうに呟く声が聞こえた。<br />
「んなの俺が一番わかってんだよ。どいつもこいつも同じコト言いやがって&hellip;&hellip;」<br />
　どうやら私と同じ気持ちでいる「人」はもう一人いるらしい。私は少しだけ口元を右上がりにすると自分の教室へと向かった。]]>
    </description>
    <category>なんとなく100のお題 2 </category>
    <link>http://400moji.side-story.net/odai3/story3_46</link>
    <pubDate>Tue, 18 Mar 2014 14:44:32 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>38．創造は大変でも、破壊は至極簡単で</title>
    <description>
    <![CDATA[私は毎日夜明けとともに生まれる。あの人に選ばれた特別な素材で、それは丁寧に作られる。私を作った人はとても繊細な仕事をしていた。それぞれのパーツは手作りで、切り方もこだわりを持っている。<br />
　今日、あの人は私に青い瞳を与えてくれた。中にある白い輝きがとても美しい。全てが完璧だ。<br />
　私はこの人に作ってもらえたことを心から感謝した。完成したばかりの私は鮮やかな青色の箱の中でしばらくの間待たされた後で蓋を閉められる。<br />
　そのあと人の手によって私は動かされた。どこかは分からないが、とにかく騒がしい場所だった。時折美しい音楽が私の耳元に届く。同じ曲が三回ほど続くと、私がいた暗闇にひとすじの光が差し込んだ。<br />
　蓋を取ったのは私を作ったあの人ではない。その瞳は明らかに狩人の目に私は固くなった体を更に強張らせた。私はここで命を落とすのだと本能が悟ったのだ。<br />
　目があって十秒も経たず私は襲われる。まずは鼻をがぶり。そのあとで頬と目玉をもぎ取られた。悲鳴を上げられないよう口元を抑えると、後頭部を剥がされる。力の加減を知らないのか、私の顔はぐにゃりと潰れた。ピンク色の中身が飛び出す。<br />
　ヤツは私を細胞レベルまで粉砕すると自分の中へすべて取り込んでいく。私を全て平らげると満足げに笑った。残ったのは頭についていた鋭い角が二つだけ。ヤツはそれに興味がないらしい。私は再び暗闇の世界へと閉じ込められた。<br />
　――二度目に蓋をあけられたのはそれからまた数時間後のこと。<br />
　私をのぞきこんだのは私をつくったあの人だった。跡形もなく消えた私を見てにっこりと笑う。<br />
「今日も全部食べたわね。えらいえらい」<br />
「ママ。明日は仮面ライダーにして」<br />
「はいはい」<br />
　創造は大変でも、破壊は至極簡単で。キャラ弁という名の私は毎回幼児という怪獣に跡形もなく消されてしまう。そしてふたり分の笑顔を与えるのだ。]]>
    </description>
    <category>なんとなく100のお題 2 </category>
    <link>http://400moji.side-story.net/odai3/story3_38</link>
    <pubDate>Fri, 14 Mar 2014 13:54:12 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>15．天井裏の物音</title>
    <description>
    <![CDATA[<p>　　事件が起きたのは、そこに引っ越してから数日後のことだった。<br />
　私が家でだらだらテレビを見ていると、天井から鈍い音が聞こえた。<br />
　前々から夜になるとみしり、みしりと軋むような音は聞こえていた。最初は家鳴りかと思ったけど、それにしては重々しい音である。<br />
　同居予定の婚約者に相談してみると猫かネズミじゃないの？　と返された。ここ、建ってからそれなりに年数経っているし住みついていてもおかしくないよね、と。<br />
　確かに、その可能性はなきにしもあらずだと私は思った。<br />
　私の実家も農家だし、家もそこそこ古い建物だから（不本意だけど）ネズミとも共存していたわけだし。一人暮らしを始める前まで、私にとってネズミの運動会は夜の恒例行事のようなものだった。<br />
　加えて言うなら私は猫とネズミの足音の区別もできる。だからこそ私は腑に落ちない。何故なら天井裏の物音はこれまでに聞いたどの音にも当てはまらないのだ。<br />
　私の胸がどくんどくんとうずく。<br />
　この最小限に留めたような軋みがどんなものか、私は色々思い浮かべてみた。<br />
　そう――これは音を立てないよう、息を殺して歩く様子にとても似ている。　<br />
　私の脳裏に密会の現場を天井裏から覗く忍者が浮かんだのは今まで時代劇を見たせいだろう。<br />
　まさか、これと同じように私も「見られて」いたとか――？<br />
　恐ろしい推測に身震いが走った。嫌な想像を膨らませてしまった自分をちょっとだけ呪ってしまう。<br />
　けど一度湧いてしまったら最後、考えはそう簡単に消えない。こうなると白黒はっきりさせないと気が済まないのが私の性格で。<br />
「ああ、ダメだ」<br />
　不安と好奇心を隠しきれない私は懐中電灯を持ち出した。部屋をそっと抜け、忍び足で隣りの和室に向かうと押し入れを開けた。湿気にカビが交じったような匂いが鼻につく中、私は首を上に逸らす。押し入れの天井に手を伸ばした。<br />
　実家で一度、ネズミの駆除を頼んだことがあるのだけど、その時押し入れから天井裏に入り込む作業員の人を見た。<br />
　その時と同じよう天井の角を軽く叩くと、塞いでいた板が簡単に持ち上がる。人ひとりが入れる四角い穴に、私の動機がひどくなる。これは私の主観でしかないけれど、ものすごーく嫌な、危険を知らせるシグナルが私に襲い掛かった。<br />
　嗚呼、どうしよう。<br />
　婚約者は夜勤で朝にならないと帰って来ない。隣りの家までは直線距離でも六百メートルはある。ここは田舎だし、こんな時間に家を訪ねたら迷惑だろうし――<br />
　ここは恥を承知で１１０番か？　それとも今夜は耳をふさいで聞こえなかったフリをする？<br />
　でも。でも――<br />
　ぐるぐると考えを巡らせ、最後に私は自分の頬を両手で叩いた。口を真一文字に結ぶ。持っていた懐中電灯を口にくわえると押し入れの中へ体をねじこませた。</p>]]>
    </description>
    <category>なんとなく100のお題 2 </category>
    <link>http://400moji.side-story.net/odai3/story3_15</link>
    <pubDate>Thu, 13 Mar 2014 04:48:33 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>20．大好きだけど大嫌いな人</title>
    <description>
    <![CDATA[<p>　　藤木ちゃんはクラスでちょっと浮いている。そのふわっとした外見と一風変わった言動から女子たちの間では「不思議ちゃん」と呼ばれていた。もちろん、本人を目の前にして言う事はない。ガールズトークの時隠語として出すのだ。<br />
「藤木ちゃん」<br />
　その日の放課後、王様ゲームで負けた私は彼女の席に近づき声をかける。彼女が読みかけの本を広げたまま顔を上げた。<br />
「&hellip;&hellip;何？」<br />
　ぼんやりとした返事に私は愛想笑いをする。王様からの指示は不思議ちゃんの好きな人を聞くこと。あとでネタにしてからかおうって魂胆なんだろうけど無茶ぶりもいい所だと思う。<br />
　でもこれができないと、私は自分の恥ずかしい秘密を暴露しなきゃならない。だから私は変に思われても果敢に挑むしかないのだ。<br />
「えーと。藤木ちゃんは好きな人いる？　例えば――イチゴとか。イチゴのこと、どう思ってんの？」<br />
「イチゴ？」<br />
「そう。好きなの？」<br />
「イチゴは好き」<br />
「ホント？」<br />
「沢山のってるショートケーキとか、ジャムとか好き」<br />
「いやいや。そうじゃなくて」<br />
　私はがっくりとうなだれる。掌で顔半分を覆い、ごめん、と言葉を続けた。<br />
「色々説明が足りなかったね。イチゴってのは果物じゃなくて――」<br />
　私はちらりと黒板の方を見た。男子が数人、箒でチャンバラごっこをしている。そのうち小柄でぎゃあぎゃあわめいてる男子が私が言っていたイチゴ――庄司一悟だ。<br />
「藤木ちゃん、最近一悟とよく喋ってるでしょ？　仲がいいなぁって思って」<br />
「そう？」<br />
「藤木ちゃんは一悟のことどう思う？　その、恋愛対象として見れるかなって話なんだけど」<br />
「レンアイタイショウ&hellip;&hellip;」<br />
　不思議ちゃんは一悟の顔をじっと見る。そのあと不機嫌そうな顔でこう言った。<br />
「イチゴは好きだけど――イチゴは嫌い」<br />
「え？」<br />
「大好きだけど、大嫌い、な人」<br />
　不思議ちゃんは開いていた本を乱暴に閉じる。突然帰り支度を始め席を立った。<br />
　すれ違いざま、彼女の耳が赤くなっていたことに気づく。<br />
　え？　何今の。イチゴが好きでイチゴが嫌い――？<br />
「一体どっちよ」<br />
　私は思わず言葉を落としてしまった。</p>]]>
    </description>
    <category>なんとなく100のお題 2 </category>
    <link>http://400moji.side-story.net/odai3/story3_20</link>
    <pubDate>Sun, 09 Mar 2014 14:24:48 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>34．禁断の果実</title>
    <description>
    <![CDATA[<p>　　アパートの前で男と喋っているとあの人が突然割り込んできた。<br />
「最近仕事で会えないから、心配して見に来ちゃったよ」<br />
　相変わらずあの人は口が上手いなと私はこっそり思う。高鳴る鼓動を聞かれないよう、唇を噛んで必死に感情を抑え込む。<br />
　あの人は私の隣りに居る男を一瞥した。<br />
「こちらは？」<br />
　彼の問いに私は新しい彼氏、と即答する。<br />
「今度一緒に暮らすの。だからもう私の前に現れないで」<br />
　私は「新しい彼氏」を家の中に押し込めるとドアを勢いよく閉めた。しばらくの間耳をすませる。玄関の向こう側はとても静かだ。きっとあの人は私を見限った。今度こそ完全に終わったと思った。<br />
　私は想像を膨らませる。このあとあの人は自分の家に帰るのだろう。この時間、あの窓からは温かい光が漏れていて、ドアを開ければ可愛らしい少女がおかえりと迎えてくれるだろう。<br />
　今日もテーブルには温められた料理が並べられていて、台所で手を動かしていた奥さんが貴方に微笑む。それを見てあの人はほっと息をつくのだろう。<br />
　大切な人のそに居られる、平凡だけど変わらない毎日。それは孤独がまとわりついていた私にとってのどから手が出るほど欲しかったもの。<br />
　初めてあの人と出逢った時、やばいな、と思った。顔が私の好みだったからだ。<br />
　厳しさの中に優しさがあることも、冷静で落ちついていることも、ちょっと間抜けな所も――何もかもが私のストライクゾーンで。<br />
　私より年上なぶん、あの人は異性に手慣れていた。女友達も多そうだった。何より薬指につけている指輪がまぶしすぎる。恋の相手としては一番厄介だなと思った。<br />
　彼のアプローチを真に受けてはならない。絶対に堕ちてはならないと何度も言い聞かせて必死に堪えていたのに。私の体は心と裏腹で、彼の要求を拒めない。<br />
　実際、あの人の方が上手だった。あの人は確信犯だ。あの人には始めから家庭を捨てる気などない。だから私のような女を見つけて遊ぶのだろう。ひとときの冒険、快楽を求めるために。私はあの人を操縦するつもりだったのに、実際はあの人の手の上で転がされただけ。だから私は自分で幕を引く決意をしたのだ。<br />
「さようなら」<br />
　私は扉に額をつけ、聞こえるか聞こえないかの声で呟く。これは禁断の果実を手にした私なりのけじめ。私はあの人が大好きだったけど、あの人を取り巻く全てを奪い壊せるほど私は強かな人間にはなれなかった。<br />
　ゆっくりと振り返る。私はあがりまちで尻持ちをついている「新しい彼氏」に頭を下げた。実は彼と私は今日が初対面だ。私に呼ばれた彼はというと、突然彼氏呼ばわりされてかなり困惑している。<br />
「引越の見積もり、お願いできますか」<br />
　私は何もなかったように話を進めた。</p>]]>
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    <category>なんとなく100のお題 2 </category>
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    <pubDate>Fri, 07 Mar 2014 16:17:49 GMT</pubDate>
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