もの書きから遠ざかった人間のリハビリ&トレーニング場。
目指すは1日1題、365日連続投稿(とハードルを高くしてみる)
2013
突然誘われた飲み会はつまらないものだった。
知り合い程度の付き合いだから親しい人もいない。営業と人事で部署が違うから、仕事の話も微妙にかみ合わない。
飲み代奢るから、なんて言われたけどこの場に私はとても浮いている気がする。
なので私は途中でフケることにした。
二次会のカラオケボックス、私はドアに一番近い席を選んだ。
隣りに座ってる新人の武藤さんは下戸らしい。今もウーロン茶をちびちびと飲みながら課長の歌に相づちを打っている。
帰る時は彼女に一言言っておけば何ら問題なさそうだ。
五分後、あらかじめセットしていたアラームが鳴る。私は携帯を持って部屋を出ると電話に出るふりをした。
店員やトイレから帰ってくる人が不審がらないよう当たり障りのない返答をしてそれらしい雰囲気を作っておく。
そして恐縮顔で部屋に戻り、武藤さんに声をかけた。
「ごめん、急用ができちゃって。私先にかえる」
いきなり武藤さんが私に覆いかぶさってきた。いやぁーせんぱいかえらないでぇと甘い声が耳に届く。
「せんぱいはわらしがおもちかえりするのぉ」
ええっ、それって問題発言?
「あちゃー。やっちゃったか」
私たちの側に若い男性社員がやってきた。確か彼は武藤さんの同期だ。
事情を聞くと彼女は間違えて私のグラス――ウーロンハイに口をつけたのだという。
「コイツ抱きつき魔って知ってます? ひっついたら最後、最低でも一時間は離れませんので。我慢して下さいね」
御愁傷様といわんばかりの顔で彼は言う。周りをみれば同じような顔をしている人がちらほら。
そういえば、誘われた時も申し訳なさそうな顔をしてたような。
つまりアレですね。私は要注意人物の生贄だったっててコトですか。
武藤さんはふふふぅ、と口元を緩ませ私にすりよっている。
「せんぱいはわたしのものですよぉーだ」
ちょっと、腕を掴む力が半端ないんですけど。
小悪魔の囁きに私は身ぶるいをした。(826文字)
酒は飲んでも飲まれるな、という自戒をこめて。またもや文字数大幅超えだけどもういいや……
知り合い程度の付き合いだから親しい人もいない。営業と人事で部署が違うから、仕事の話も微妙にかみ合わない。
飲み代奢るから、なんて言われたけどこの場に私はとても浮いている気がする。
なので私は途中でフケることにした。
二次会のカラオケボックス、私はドアに一番近い席を選んだ。
隣りに座ってる新人の武藤さんは下戸らしい。今もウーロン茶をちびちびと飲みながら課長の歌に相づちを打っている。
帰る時は彼女に一言言っておけば何ら問題なさそうだ。
五分後、あらかじめセットしていたアラームが鳴る。私は携帯を持って部屋を出ると電話に出るふりをした。
店員やトイレから帰ってくる人が不審がらないよう当たり障りのない返答をしてそれらしい雰囲気を作っておく。
そして恐縮顔で部屋に戻り、武藤さんに声をかけた。
「ごめん、急用ができちゃって。私先にかえる」
いきなり武藤さんが私に覆いかぶさってきた。いやぁーせんぱいかえらないでぇと甘い声が耳に届く。
「せんぱいはわらしがおもちかえりするのぉ」
ええっ、それって問題発言?
「あちゃー。やっちゃったか」
私たちの側に若い男性社員がやってきた。確か彼は武藤さんの同期だ。
事情を聞くと彼女は間違えて私のグラス――ウーロンハイに口をつけたのだという。
「コイツ抱きつき魔って知ってます? ひっついたら最後、最低でも一時間は離れませんので。我慢して下さいね」
御愁傷様といわんばかりの顔で彼は言う。周りをみれば同じような顔をしている人がちらほら。
そういえば、誘われた時も申し訳なさそうな顔をしてたような。
つまりアレですね。私は要注意人物の生贄だったっててコトですか。
武藤さんはふふふぅ、と口元を緩ませ私にすりよっている。
「せんぱいはわたしのものですよぉーだ」
ちょっと、腕を掴む力が半端ないんですけど。
小悪魔の囁きに私は身ぶるいをした。(826文字)
酒は飲んでも飲まれるな、という自戒をこめて。またもや文字数大幅超えだけどもういいや……
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プロフィール
HN:
和
HP:
性別:
女性
自己紹介:
すろーなもの書き人。今は諸々の事情により何も書けずサイトも停滞中。サイトは続けるけどこのままでは自分の創作意欲と感性が死ぬなと危惧し一念発起。短い文章ながらも1日1作品書けるよう自分を追い込んでいきます。
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