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もの書きから遠ざかった人間のリハビリ&トレーニング場。 目指すは1日1題、365日連続投稿(とハードルを高くしてみる)

2024

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2013

0404
 仕事中に携帯電話が鳴る。相手は幼馴染からだ。
「ああ涼子さん? さっき俺の携帯にかけたでしょ? どうした? っていうか今どこにいるの?」
「ウチの不動産が管理しているアパート。この間夜逃げしちゃったひとがいて、今残った家財道具の査定中」
「リサイクルショップに売るとか?」
「まぁ売れても二束三文ってトコかな。売れないのは処分するしか」
「ええっ! 捨てちゃうの?」
 受話器の向こうで<<もったいないおばけ>>が叫び声をあげた。そう、こいつにとって不要な家財は宝の山なのだ。
「それ俺が全部引き取る! アパートどこ?」
「あんたならそう言うだろうと思って連絡したのよ」
 これから来れる? と私は続ける。場所を説明すると受話器の向こうでだん、どどどどど、とものすごい音がした。
 おそらく、お宝ゲットがに浮かれて階段にから滑り落ちたのだろう。
「はしゃぐのはいいけど足元ちゃんと見なさいよ」
「ってててて、さすが凉子さん。俺のことよく分かってる」
「そりゃあ二十年以上の付き合いですから」
「じゃあ幼馴染のよしみってことで俺と結婚しない?」
 突然の求婚に私はひとつため息をつく。電話をかけた時点でそう来ると思ったけど、毎度ながらその軽いノリがどうもいただけない。
 どういうわけかこいつは私にご執心だ。昔からコトあるごとに私を口説き玉砕を繰り返している。
「ねぇ、俺と結婚して」
「年収一千万稼ぐなら考えてもいい」
「じゃあ結婚しなくていいから俺とつき合って」
「廃材オタクに興味ナシ」
「じゃ俺の家族になって」
「はぁ?」
「お姉ちゃんか妹になって。あ、娘でもオッケー。養子縁組しよ」
 私は呆れてものが言えなかった。新手の口説きに頭がくらくらする。どうしてこいつは次から次へと考えるかなぁ?
 とりあえず着信拒否でもしとこう。
 私は通話をぶった切ると、そそくさと設定変更した。(794文字)


 幼馴染くんが凉子さんにそこまで言う理由。
「そうすれば何かあったとき凉子さんにすぐ連絡がいくでしょ? ほら、俺も天蓋孤独だし。このままだと死んで無縁仏になっちゃう。
お骨は涼子さんに拾ってもらいたいなぁ」
 これも彼なりの愛情。ただこの台詞は重いのでカット

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プロフィール
HN:
性別:
女性
自己紹介:
すろーなもの書き人。今は諸々の事情により何も書けずサイトも停滞中。サイトは続けるけどこのままでは自分の創作意欲と感性が死ぬなと危惧し一念発起。短い文章ながらも1日1作品書けるよう自分を追い込んでいきます。
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