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もの書きから遠ざかった人間のリハビリ&トレーニング場。 目指すは1日1題、365日連続投稿(とハードルを高くしてみる)

2024

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2013

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 私とあの人の間には見えない壁がある。手を伸ばした所であの人には届かない。触れることも叩くこともできない。それでも私はあの人の好みを熟知していたし、今あの人が何を考えているのかも分かる。
 今日は髪の毛があまりイケてない。目に隈もできているし、肌も荒れている。こんなんじゃ大好きな「あの人」の目にも止まらない。しっかりケアしなきゃ。
 私が思うより先にあの人は顔パックを始めた。髪をすきコテで毛先を巻く。パックが乾くまでの間、あの人はクローゼットに頭だけ突っ込んで服を選んでいた。
 そうだ、この間買ったワンピースがあったでしょう? あれにしてみない?
 あの人が下ろしたての服を出す。一度部屋着の上に当て、うん、と頷いた。腕を通し、私の前に立ってからパックを剥がす。うん、とっても素敵。よく似あっている。
 あの人は美容液と乳液をたっぷりつけ下地を塗り、ファンデを乗せた。まつ毛はぱっちりと、アイカラーは服に合わせた涼しげな色で。頬紅と口紅はしつこくない色を選びましょう。
 いけない、もうこんな時間よ。急がなきゃ。
 あの人はメイク道具をポーチに入れると仕事用のバッグを手にした。あの人が扉を閉めた瞬間、私は消える。残ったのは左右反転した部屋の風景。今度あの人に会えるのは仕事から帰ってきた時だ。
 あの人はもう一人の私。私達は決して触れ合う事のない存在。それでもあの人私は心が繋がっている。(599文字)


鏡の向こう側にいる「私」が主人公。最初「化粧→服」の流れだったけど服に口紅付かね?と思い、ブログ編集画面内で書き直し。そしたら保存する前にページが変わってしまい文章そのものが消去したという(泣)さくっと書けた割にその後が大変だった話

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プロフィール
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女性
自己紹介:
すろーなもの書き人。今は諸々の事情により何も書けずサイトも停滞中。サイトは続けるけどこのままでは自分の創作意欲と感性が死ぬなと危惧し一念発起。短い文章ながらも1日1作品書けるよう自分を追い込んでいきます。
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