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もの書きから遠ざかった人間のリハビリ&トレーニング場。 目指すは1日1題、365日連続投稿(とハードルを高くしてみる)

2024

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2013

0413
 黒板に書かれた席替表に誰もが凍りついた。
 5×7の升目には私と村井の名が横に並んでいる。月に一度の席替え、連続で席が隣になった時は偶然だねと笑った。3回続くと奇跡かもと驚いた。
 だが4回も繰り返されると恐怖に変わる。お互いどういう顔をしたらいいのか分からない。
「これって不正だろ?」
 誰かの野次にくじを作った委員長が否定する。彼の生真面目さは私も知っているから嘘ではないのだろう。
 が、作った側もこの結果は気持ち悪かったらしい。
「今野と村井、悪いけどもう一度くじを引いて。出た番号の奴と席交換するから」
 全員が見守る中、新しいくじが作られる。不正がないか前列の人に確認してもらう。
 私が先に引いた。5。窓側の席だ。続いて村井が引く。9。席が離れた。私も村井も皆も安堵する。
 委員長がああっと、叫んだのはそれから10秒後のことだった。
「非常に言いにくいんだけど、それ6だ。数字の下に線を引くのを忘れた、ごめん」
 机の並びは5×7。けどうちのクラスは1人多いため窓側の列が6席になる。隣に座る人もいない席次表の枠からもはみ出るそこはボッチ席と呼ばれていた。
 つまり。村井はこれから私の背中を見て過ごし、私は村井の視線を感じながら過ごすことになる。
 正直者の告白に周りがどよめいた。村井の顔が青ざめている。私は頭を抱えた。隣と前後、どっちがマシだっていうんだ! 
 偶然という名の必然はその後「席替えの呪い」と称され学校中を駆けぬけた。(629文字)


考えている時外にいたので携帯で打ってみた。委員長は話のとおり潔白なのだが、素敵な展開を作る羽目に。

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プロフィール
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女性
自己紹介:
すろーなもの書き人。今は諸々の事情により何も書けずサイトも停滞中。サイトは続けるけどこのままでは自分の創作意欲と感性が死ぬなと危惧し一念発起。短い文章ながらも1日1作品書けるよう自分を追い込んでいきます。
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